ナイキはなぜS&P 100から外れるのか:直販、卸売、中華圏で見る5年
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは9月21日の取引開始前にナイキをS&P 100から除外する。時価総額は2021年11月のピーク2,640億ドルから9月8日には約570億ドルに減った。2026会計年度には直販の売上が6%減った一方、卸売は6%増えた。会社は2027会計年度上半期まで売上の減少が続くと見込んでいる。
ブリーフ全文
かつて米国の大型株を代表した消費財ブランドが抜けた席には、テック株が入る。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P DJI)は2026年9月4日に指数の変更を発表し、ナイキ(NKE)を9月21日の取引開始前にS&P 100から除外すると明らかにした。Fortuneは、ナイキがおよそ18年にわたってこの指数に入っていたと伝えた。
外れる銘柄、入る銘柄#
9月21日付のS&P 100変更
同じ発表資料の表によると、9月21日付でS&P 100から除外される銘柄はNIKE(NKE)、Honeywell Aerospace(HONA)、Simon Property Group(SPG)など、採用される銘柄はDell Technologies(DELL)、Palo Alto Networks(PANW)、Arista Networks(ANET)などだ。
9月21日の取引開始前#
発表から反映まで
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの発表は9月4日に出ており、反映日は9月21日だ。変更はその日の取引が始まる前に反映される。それまでナイキはS&P 100に残っている。指数からの除外は、指数連動資金の売りを通じて株価にどんな影響を与えるのか。
時価総額#
ピークの5分の1
Fortuneによると、ナイキの時価総額は2021年11月のピーク時に2,640億ドル(当時の株価179.10ドル)で、記事時点の2026年9月8日には約570億ドルだった。ピーク比で78%減り、2026年に入ってからだけで36%減少した。
株価38ドル前後#
2026年9月8日時点
株価は38ドル前後だった。時価総額と株価は日々動くので、これらの数字はその日付時点のものだ。Fortuneの記事が出た9月8日は、除外発表の4日後だった。除外が反映される9月21日までに、数字はさらに動く可能性がある。
2026会計年度の実績#
売上464億ドル、2%減
Fortuneがナイキの決算資料を引用してまとめた2026会計年度(5月31日終了)の数字は次のとおりだ。売上は464億ドルで、為替の影響を除いたベースで2%減少した。売上全体の減少幅は大きくないが、販売チャネルと地域に分けると動きが異なる。
直販6%減、卸売6%増#
販売は再び卸売へ
消費者直販の売上は6%減って177億ドル、卸売の売上は6%増えて275億ドルだった。増減の幅は同じ6%だが、方向は逆だ。卸売売上の増加は、在庫処分のための値引き販売とどれだけ重なっているのか。
中華圏#
第4四半期の売上17%減
中華圏の第4四半期の売上は、恒常為替ベースで17%減少した。同じ年度の売上全体の減少幅2%と比べると、1つの地域の1四半期の落ち込みが際立つ。中華圏の減少は一時的なものか、それとも競争構図の変化か。
2027会計年度上半期まで#
会社が予告した売上減少
ナイキは、2027会計年度上半期まで売上の減少が続くと明らかにした。2026会計年度は5月31日に終わったので、会社が見込む減少の期間は9月21日の除外の後まで続く。
会社が掲げる方向#
エリオット・ヒルCEOの再建戦略
Fortuneは、エリオット・ヒルCEO体制の再建戦略が、卸売との関係修復、過剰在庫の削減、パフォーマンス製品の強調に焦点を当てているとまとめた。ヒルは決算資料で、売上には逆風が続いているが、パフォーマンス製品では進展があると述べた。
同じ方向を指す数字#
直販は減り、卸売は増えた
直販の売上が減り卸売の売上が増えたという数字も、この説明と同じ方向を指している。ただし、方向が同じだからといって戦略が効果を上げたとは言えない。卸売の増加が値引き販売とどれだけ重なるのかも、まだ確認されていない。
どこでつまずいたのか#
この資料だけでは判断できないこと
直販の比重を高めてきた選択がどこでつまずいたのかは、会社の説明と市場の解釈が入り混じっていて、この資料だけでは判断できない。確かめるべき問いは3つある。それぞれ卸売と値引き販売、中華圏の減少の性格、指数連動資金について問うものだ。問いは関連する数字がある枝に1つずつ付けておいた。
この地図を実際につくるなら
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