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金額は増え、数量は減った

輸出総額が68.7%増えた8月に、石油製品は金額が65%伸びた一方で、実際に積み出した数量は2%減った。自動車が減った理由として最初に挙がるのも、販売ではなく昨年の休暇の時期だ。982.5億ドルという一行の中に、向きの違う品目が同居している。

ブリーフ全文

8月の輸出は982.5億ドルで、前年同月比68.7%の増加だった。同じ発表の中に半導体は209%、半導体を除く品目は20%と並んで書かれている。一行にまとまった伸び率の裏で、価格と数量、比較対象、集計基準がそれぞれ別に動いている。同じ月の総額が68.7%増、1日平均が72.5%増と並んで書かれているのも、そのためだ。

一つの伸び率に物語が二つ#

半導体209%、それ以外20%

産業通商部は8月の輸出が68.7%増えたと発表しながら、半導体209%、半導体以外20%という二つの数字を並べて記した。全体の伸び率はこの二つが混ざった結果だ。どちらを見るかで、同じ月が爆発的にも穏やかにも読める。まずは品目で分けるところから始まる。

半導体466.5億ドル#

3か月続けて400億ドルを超えた

8月の半導体輸出は466.5億ドルで209.0%増え、過去最高を更新した。産業通商部は、グーグルやアマゾンなどハイパースケーラーの設備投資の拡大でAIインフラ需要が堅調に続いた結果だと説明した。月別の順位は467億ドルの26年8月が1位、448億ドルの6月が2位、410億ドルの7月が3位だ。

open_in_newstartupxo.com/ko/news/2026/08/ai-capex-memory-cost-2026

コンピューター62.4億ドル#

419.5%はどこから来たのか

コンピューターの輸出は62.4億ドルで419.5%増え、月ベースで過去最高になった。企業向けSSDに入るNANDの価格が上がり続けたことが理由として書かれている。無線通信機器は18.8億ドルで21.2%増え、10か月連続の増加となった。大きく跳ねた伸び率ほど、一つの部品の値段に結びついていることが多い。

同じ月に減った品目#

自動車と船舶

自動車の輸出は38.5億ドルで29.8%減った。産業通商部は、主要メーカーの夏季休暇が昨年7月末から今年8月初めに移った基底効果と、生産の支障を理由に挙げた。船舶は引き渡し物量が減り、16.9億ドルで45.9%の減少となった。20大主力品目のうち14品目が増えたので、残る6品目は反対側にある。

値上がりした分と、多く運んだ分#

単価と数量は別々に動く

輸出額は単価に数量を掛けた値なので、金額が増えたという言葉だけでは何が増えたのか分からない。8月の発表には、二つの軸が逆方向に動いた品目がいくつも載っている。値上がりで金額が膨らんだところと、実際に多く売れたところを分けておくと、翌月の見当がつく。

5か月分のメモリー価格表#

35.0ドルから46.5ドルへ

報道資料の注記には、メモリーの固定価格が月ごとに記されている。DDR5 16Gbは4月の35.0ドルから5月37.5、6月40.0、7月45.0を経て8月に46.5ドルとなった。NAND 128Gbは同じ期間に24.2ドルから30.5ドルへ上がった。半導体の輸出額が膨らんだ背景を数量と切り離すには、この行を一緒に読む必要がある。

open_in_newdeepthought.me/ko/maps/2026-08-20-ai-buildout-who-pays

金額は65%増え、数量は2%減った#

石油製品と石油化学

石油製品の輸出は68.4億ドルで65.3%、石油化学は38.6億ドルで12.2%増えた。その直後の文に、数量は石油製品が2.2%、石油化学が7.0%減ったと書かれている。原油価格が上がり、高い輸出単価が続いた結果だ。石油製品の輸出単価はトン当たり1,143ドルで、69.1%上がった。

買う側も同じように分かれる#

原油の数量は3%減

8月の原油輸入額は83億ドルで21.2%増えた。数量は3%減り、輸入単価が26%上がった。少なく買って多く払った月ということになる。単価と数量が分かれる現象は、輸出の側だけで起きるわけではない。

何と比べたのか#

伸び率は基準月が決める

伸び率は前年の同じ月を分母に取る。だから今年ではなく昨年が特異だった月ほど、数字は大きく跳ねる。月ごとに稼働日数が違うことも総額に混ざり込む。8月の発表には、この二つを取り除いた数字も一緒に載っている。

1日平均44.7億ドル#

総額と伸び率が食い違う理由

稼働日数を考慮した1日平均の輸出は44.7億ドルで、72.5%増えた。総額の伸び率68.7%とは別の値だ。総額にはその月に働いた日数まで含まれるので、二つの伸び率がずれれば日数が違ったという意味になる。1日平均では4か月連続で40億ドルを超えた。

昨年8月がまだ数字に残る#

動いた夏季休暇

自動車の輸出が減った理由として先に書かれているのは、販売ではなく暦だ。主要メーカーの夏季休暇が昨年7月末から今年8月初めに移り、比べる相手が変わった。この種の項目は翌月に反対向きで現れる。1か月分の増減を趨勢に移す前に、まずこの行を見る。

過去最高はどこに付いたのか#

8月の総額は3位

今回の発表が見出しに過去最高として掲げたのは半導体だ。全体の輸出は26年6月の1,020億ドルが1位、7月の990億ドルが2位、8月の983億ドルが3位と記されている。1日平均も6月の45.3億ドルが1位、8月の44.7億ドルが2位だ。見出しの最高と本文の順位は、別の対象を指している。

輸出から輸入を引くと#

347.5億ドルの黒字

8月の貿易収支は347.5億ドルの黒字で、前年より283.4億ドル増え、300億ドル台を3か月続けた。1月から8月までの累計は2,025億ドルの黒字で、昨年の同じ期間より1,622億ドル多い。黒字の大きさは、輸出だけでなく輸入がどう動いたかまで含んだ数字だ。

輸入635.1億ドル#

エネルギーとそれ以外の速度差

8月の輸入は635.1億ドルで22.5%増えた。エネルギーの輸入は126.8億ドルで15.3%増え、エネルギーを除いた輸入は508.3億ドルで24.4%増えた。この月はエネルギー以外の輸入の方が速く膨らんだことになる。二つに分けて見ないと、何を多く買ったのかがぼやける。

半導体装置の輸入が117.3%増#

売る側が伸びれば買う側も伸びる

エネルギーを除いた輸入では、半導体装置が25.7億ドルで117.3%増えた。非鉄金属も21.9億ドルで27.6%増えている。多く作って送り出すには、まず設備と原材料を買わなければならない。輸出と輸入を別々に置くと、このつながりは見えない。

この数字はまだ確定ではない#

何をいつ数えた値なのか

発表は関税庁の通関資料をもとに作られる。物が税関を通った時点で数えるので、契約した日や代金が動いた日とはずれる。しかも今回の数値は暫定値で、一つの資料の中に期間の違う数字も混ざっている。

8月31日までの通関基準#

暫定値と書いてある

報道資料の末尾に、この資料が関税庁の通関資料を基礎に、8月31日までの通関基準の暫定値として作成されたと明記されている。税関を通った時点で数えるため、同じ取引でも通関が一日遅れれば翌月の数字になる。基準を外して引用すると、他の統計と並べにくくなる。

確定は2027年2月#

それまで直りうる

同じ箇所に、輸出入実績と主要品目別の実績は、年間統計が確定する27年2月まで訂正されうると書かれている。今引用している982.5億ドルも、その時までは確定した値ではない。先月の数字を使い直すときは、原資料をもう一度開いた方が安全だ。

地域の数字の下に付いた25日#

同じ資料、違う期間

地域別の輸出は、中国が241.0億ドルで119.3%、米国が165.0億ドルで89.3%、ASEANが190.9億ドルで75.4%増えた。ところが、その下の品目別の注記は8月1日から25日までしか数えていない。米国向けコンピューターに付いた1,040%も、その期間の数字だ。期間を一緒に運ばなければ、1か月分として読まれてしまう。

出典・関連リンク

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